平成28年度 集計結果

回復期リハビリテーション病棟 (2東) 平成28年度集計結果

平成28年度(H28.4.1~H29.3.31)の入棟患者様のまとめ

性別 年齢
男性 39名 男性 79.1歳(48-96)
女性 49名 女性 85.3歳(67-99)
総数 88名 平均 82.7±9.2歳

疾患別入棟者数

項目 男性 女性
脳血管障害(高次脳機能障害含む) 11名 11名
下肢骨折 10名 27名
廃用症候群 18名 11名

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平均在棟日数 88.5日(n=88)

疾患別平均在棟日数

疾患名 在日数
脳血管障害(高次脳機能障害含む) 142.5日
運動器 69.1日
廃用症候群 72.5日

転帰(退院の状況)

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同期間での退院患者様の状況である。
51%の患者様が御自宅、社会福祉法人もしくは老人保健施設等へ退院している。
当院は、医療法人久仁会を母体として社会福祉法人鳴寿会との2つの法人から構成されており、全施設が連携し、安心のネットワークを構築しています。
回復期病棟の一連の流れ紹介させて頂くとまず、患者様の入院が決定したら急性期病院に赴き、患者様の身体状況を確認させて頂き、現場の職員に情報伝達を行うことでスムーズな入院を心がけている。また、入院日から7日以内にご自宅を訪問して、具体的な自宅や自宅周囲の環境を早期に把握し、病院でのリハビリテーション内容や病棟での日常生活に反映できるように努めている。
高齢化に向けた社会において、地域包括ケアの一翼を担うことを目指している。在宅が困難である患者様に対しても“地域包括ケア”と“連携”を通じて多様な退院状況となっている。

リハビリテーションの効果を検討するため、入棟時と退院(退棟)時のBarthel IndexおよびFIMを症例数の多い下記3郡で比較しました。
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Barthel Index
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Barthel Index*とは
1955年来、米国メリーランド州の慢性疾患の病院であるMontebello State病院、Deer’s Heed病院、Western Maryland病院で、ケアが自立していない神経筋、または、筋骨格系の障害をもった患者の能力を評価採点し、経時的にテストし、PTのDorothea W.Barthelが開発し、1965年Dr Florence I. MahoneyによってMaryland State Medical Journalに発表されたADL評価法の1つ
食事、移乗、整容、トイレ動作、入浴、移動、階段昇降、更衣、排便コントロール、排尿コントロールの10項目100点満点で評価します。
*Mehoney FI, Barthel DW: Functional evaluation; the Barthel index. Md Med State J 14: 61-65, 1965

FIM(Functional Independence Measure)

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常生活を評価するBI・FIMにおいて、3つの疾患(脳血管障害等・運動器・廃用症候群)全て入棟時と退棟時の点数について有意差が認められた。

FIMとは
Functional Independence Measure の略。介在量の測定を目的としたADL評価法。食事や移動などの「運動ADL」13項目91点および「認知ADL」5項目35点で評価します。

HDS-R(長谷川式簡易評価スケール)

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HDS-Rについては、すべての疾患において有意差は認められなかった。認知機能検査として、コース立方体検査・MMSE・かな拾いテスト等も併用して実施しており、多角的に認知機能を把握する取り組みを行っている。

バルーン抜去率

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入棟時のバルーン挿入者:22名(88名中)
入棟期間中にバルーンが抜去出来た患者様:13名(22名中)

(結果)
59%の患者様がバルーンカテーテルを回復期病棟在籍中に抜去することが出来ている。当院では尿路感染予防の観点から積極的にバルーンカテーテルの抜去を推進している。
抜去後は、自排尿量のチェックまたは、超音波検査にて膀胱内の残尿量チェック、患者様の下腹部の膨満感等を確認しながらトイレ誘導を行い人間の尊厳に関わる排泄動作に積極的に介入している。
H29年度より、定期的な排泄状態の確認を行うと共に、患者様・職員の排泄に関する意識の共有を目指し、総称「排泄ラウンド」と銘打ってそれぞれの職種が介して検討を加え排泄の自立をめざしています。

経口摂取状況

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嚥下訓練のST処方数 26名(88名中)
(内訳) ※病状急変患者様のデータを省く

・経口摂取:12名
・経管栄養:14名

経管栄養

(またはTPN、胃瘻)

14名 経管栄養の継続 12名 楽しみとしての経口摂取 2例
経口摂取なし 10例
経口に移行 2名

当院では、「嚥下造影検査」「videofluoroscopic examination of swallowing,VF」を採用しており、医師の指示・立会いの下、摂食・嚥下障害の病態や食物の嚥下動態を評価して介入しています。