リハ・ケア合同研究大会 大阪2005 発表記録

リハ・ケア合同研究大会 大阪2005 発表記録

当通所リハビリテーションセンターにおけるパワーリハビリテーションの現状と課題

介護老人保健施設 いこいの家 鳴山荘通所リハビリテーションセンター ステップ
理学療法士 ○森本 幸司 中村 孝史
医療法人 久仁会 鳴門山上病院
理学療法士 竜田 庸平 直江 貢

【はじめに】

当通所リハビリテーションセンター(以下通所リハ)では、平成16年9月より健康増進・自立支援・介護予防を目的にパワーリハビリテーション(以下PR)を導入し、リハプログラムの充実に努めてきた。今回は現状を分析すると共に今後の課題について検討を加えたので報告する。

【対 象】

当通所リハ利用者のうち、男性11名、女性17名、平均年齢79.3±7.45歳、要介護状態区分は要支援4名、1:21名、2:3名。疾患別では整形疾患17名、中枢神経疾患8名、パーキンソン病2名、廃用症候群1名を対象とした。

【方 法】

3~4名を1グループとし、コンパストレーニングマシンを使用して、週1~2回の頻度で3ヶ月間実施した。評価項目は、握力・開眼片脚立位・FR・体前屈・TUG・10m歩行を採用し、PR開始時・1.5ヶ月目・3ヶ月目に実施して各評価項目の経時的変化を検討した。

【結 果】

TUGと10m歩行において有意に改善を認めた(P<0.05)が、他項目では著しい改善を認めなかった。また、禁煙される、料理を楽しむ等の行動変容を認めた。

【考 察】

10m歩行、複合的動作能力の指標となるTUGが改善した要因としては不活動筋の再活性、協調性の改善、自らの体力に対する自信の向上等が考えられる。今後はPR終了後のフォローアップの確立、QOL評価の採用等、現行の不備の改善と併せて多角的観点からの検討を試みたい。