平成26年 日本医療機能評価機構 認定更新 (主機能 慢性期病院、副機能 リハビリテーション病院)

病院機能評価認定更新について

病院長 國友一史

本院は1977年に開設以来、高齢者のケアおよびリハビリテーションを柱に、慢性期医療を主な機能として地域ニーズに応えるべく努力を続けています。
診療・ケアの質を維持、向上させるための病院自身の努力とともに、早くから情報発信とともに老専機能評価参加等、第三者評価を積極的に取り入れてきました。
日本医療機能評価機構はアメリカにおけるJCAHO(Joint Commission on Accreditation of Healthcare Organization)にならった病院医療機能の質的評価を目的に1995(H7)に設立された公益財団法人ですが、本院は1999(H11)年に徳島県では初めて、療養病院としては全国で5番目に受審し、認定を受けました(認定番号LL5)。
以来、5年毎に更新認定を受け、今回は4回目の更新認定(LL5-4)となりました。
新しい認定証には金色の星マークが4個美しく並んでいます。
また、今回は本院の機能の2本柱の一つ、リハビリテーション機能も副機能として評価を受け、同時に認定を受けました。
これも徳島県では初めての認定となります。

わが国には全部で病院が8512施設あり、このうち機能評価の認定を受けているのは2307病院(H26.8現在)となっていますが、4回の(更新)認定を受けているのは、168病院のみであり、今回の審査結果の総括でも評価、言及されています。今回の審査は昨年新しくなった第3世代(3rd Generation)と呼ばれる審査基準によって行われ、4つの領域、89項目について評価を受けました。
評価はS、A、B、Cの4段階で行われ、C評価がなければ認定とされます。
本院の評価結果ではCはなく、領域1(患者中心の医療の推進)では、S評価1、A評価16、B評価4、領域2(良質な医療の実践1)では、A 26、B 9、領域3(良質な医療の実践2)で、A 6、B 3、領域4(理念達成に向けた組織運営)A 16、B 3、そしてリハビリテーション副機能では第2領域23項目のみでの評価でしたが、S 1、A 18、B 2、NA 2という結果でした。S:「秀でている」の評価が2つ(医療の質向上と臨床指標の公表、回復期リハ病棟(副機能)での身体抑制への対応)あったことは、誇れるものです。
ただ、病院長としては、力を入れているチーム診療の項目でもS評価を頂きたかったと少し残念に思っています。
圧倒的に多かったのが、A:「適切に行われている-指摘する問題がない」 評価ですが、その中にはコメントで「高く評価する」という、S評価に近い表現の項目が多数あり、これもうれしい評価です。

しかしながら、まだまだB: 「一定の水準に達している-若干の課題は認められるが、認定の判定には影響しない」の評価もあり、今後の検討課題となります。
B評価の具体的な指摘事項は、認知症など自分で意思表示ができない患者さんでの説明同意(1.1.2)、誤認防止(2.1.3)、患者自身の希望の確認(2.2.6)への対応、病棟でのアメニティ(電子レンジ、ロッカー、売店、照明等 1.6.1、1.6.3)、トイレ・床・洗面所のバリアフリー(1.6.2)、TPNカテーテル/PEG挿入マニュアル策定(2.1.9)、入院時オリエンテーションのマニュアル化(2.2.8)、看護介護業務で、特に心理面での把握・援助の記録、教育活動の充実(2.2.10)、抗菌薬初回投与時観察マニュアルの徹底(2.2.12)、症状緩和マニュアルの周知徹底・活用(2.2.17)、療養生活活性化へのアクティビティの充実(2.2.19)、身体抑制実施時の医師の明確な指示(2.2.20)、栄養科厨房での窓や桟の徹底清掃(3.1.4)、診療録貸し出し時の管理の徹底(3.1.6)、滅菌の作業手順書(3.1.8)、目標管理、達成度評価システム(4.1.3)、人材の確保(医師、看護師、介護職員)(4.2.1)、財務管理への外部監査の実施(4.4.1)となっています。

リハビリ副機能でのB評価は、入院時オリエンテーションの手順書化(2.2.8)、症状緩和について、薬物療法のみでないチーム対応(2.2.16)であり、本体コメントと同様です。
これらのうち、いくつかはすでに対応され、改善されていますが、さらに取り組むべき課題が示されたということになります。
ほとんどの指摘は組織的に対応すべきところですが、それ以前に、診療・ケアの質向上には個人の資質・能力の確保、向上が必須で、自分を磨くことが重要なのは言うまでもありません。
スタッフの資質、診療・ケアの質の両方を向上させることは、本院理念の実現のためには最も必要なことと考えます。
久仁会はキャリアアップ支援制度等も含めてこれからも積極的に取り組み、支援します。

3rdGenerationの評価では、3年後に主に自己評価による中間評価が予定されており、それまでに修正すべきところを修正します。新病院で受けることになるであろう、5年後の次回審査ではオールA、プラスさらなるS評価の獲得を目指したいと思います。
職員の皆さんには、高い評価を受けたという自信を胸に、さらなる高みを目指す向上心を持って、チームで一緒に努力を重ねていくよう、引き続きお願いいたします。

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